記憶される日
この記憶された日に、やはり思い起こしておこうと思います。5年前のこの日犠牲になった人々と、そしてその後も続いた、今もまだ続いている、野蛮の犠牲になった人々のことを。この日付と結びつけられることのない多くの犠牲のことこそ、この日に思い起こすしかないような気がするから。共有され記憶された日付とその日の悲劇は、記憶されない日付や記憶されない悲劇とも繋がっているはずだから。
僕は犠牲になったあなたのことは知らない、だからあなたが死んでしまったことも僕はまだ知らない。でも思い起こしておきたい。神様のことはよく知らないから、祈ることはできないけど。
あの日のあとに続いて引き起こされた出来事だけでなく、同じ時期に起きていたのについ最近まで僕にはほとんど気がつかなかったこと、たとえばもっと別の場所で起きていた大きな悲劇のこと、あるいは僕がまだ知らない悲惨、この先も知ることもないかもしれない野蛮、想像するしかないかもしれないけど、そういう出来事のことを、不可能かもしれないけど、思い起こしておこうと思います。この記憶された日に、記憶されない出来事のことを。5年前のあの日ではなくて、今それが起きているということを。