国連による過去の制裁
国連安保理による、国連憲章第7章に基づいてこれまで行なわれた制裁の情報が、国連のサイトにあったので見てみました。
http://www.un.org/News/ossg/sanction.htm
そこで以下、制裁の事情を簡単に調べてみました。素人が半日ググっただけなので、誤読や事実誤認があるかもしれない(てかありそう)ので注意して下さい。
コンゴ民主共和国
(名前が上がってるけどページがない…)
ルワンダ
1990年に始まり1993年に一旦和平合意した内戦の後、1994年に紛争が再燃して大量虐殺事件も起きる。1994年から武器禁輸。
南ローデシア
1965年に植民地政府首相が英連邦からの独立を一方的に宣言、アパルトヘイト政策を実施。1979年に平和的解決が合意され、1980年にジンバブエとして独立。1966年から1979年まで経済制裁。
旧ユーゴスラビア
1991年6月にスロベニアとクロアチアが独立を宣言、一連の紛争に突入した。1999年には NATO がコソボ紛争で空爆。1991年から2001年の間経済制裁が行なわれた。
アンゴラ、エチオピアとエリトリア、ハイチ、リビア、南アフリカ、南ローデシア、旧ユーゴスラビアに対する制裁は終了。イラクは武器関連の売買禁止を除いて終了。スーダンは一旦終了したが、別の制裁がある。アフガニスタンも終了しているが、アルカイダ関係に適用されたものはまだ有効。
かんそう
国連のサイト読みづらかった…。あと外務省のサイトがさすがに詳しいですね。
で、ざっと見てわかるのは、
- 国連で決議された内容はわりと限定的だったりする。武器禁輸だけとか。たぶん各国が独自に厳しくしてるみたい。
- 制裁を「終わります」という決議が出るのは遅め。
- 対象に貧しい国、第三世界が多い。
- 経済制裁だけで武力衝突がないケースというのは少ない。というか武力衝突が起きてから制裁決議してるのがほとんど。
- 10年とか長期にわたるものも少なくない。
- 90年代以降に集中してる。
- リビアや南アフリカは経済制裁が功を奏した、と言えそう。
- 禁輸を決議した数年後に監視団を要請してることがときどきある。抜け道があるってことなんでしょうね。
- 紛争が続いてたり人権状況が深刻だったりする、あの辺とかあの辺とかは、一度も決議の対象になってない(再確認)。
それぞれ状況が違ってて、一概に経済制裁に効果があるとかないとか言えないんでしょうけど、そんなにいつもうまく行くというわけでもないみたい。結局戦争になっちゃうこともあるし、そうなると紛争と経済制裁のダブルパンチで復興はすごく大変っぽい。ソマリアみたくどうしようもないのもある。でも、そこそこうまく行ったケースもあるので、北朝鮮もうまくいくといいですね。もちろん「うまく行く」というのは「悪い連中を懲らしめる」んじゃなくて、核を放棄させるとか拉致被害者を返させるとかいう目的が平和のうちに、なるべく無辜の市民や子供を飢え死にさせたりせずに達成できるといいなぁ、と(目的達成までリビアは7年、南アフリカは14年かかってますが…)。
テレビの街頭インタビューなんかで街行く人が「もっと制裁しないとダメですね」みたいに言ってるのを聞くと、「暴支膺懲」ってこんな風だったんだろうか、とつい思ってしまいます。
えーと、まとめてるページが見つけられなかったので自分でやってみましたが、本当は国際情勢とか現代史に詳しい人が、こんなんじゃなくて、もっとちゃんと過去の制裁をまとめてその効果とかをわかりやすく分析してくれないかなぁ、と思ってます。専門的な研究はきっとあるんでしょうけれど…。