家事労働の夢


料理が得意な女性は、もはや「下流」的なのでは? - はてな匿名ダイアリー

いやいや、僕はそんなに変な発想ではないと思いますよ。ま、この文章そのものは「モテポイント」とか「アピール」とかいうあたりに意味不明な面もありますが(というか「下流」という言葉がアレなのか)、料理なり何なりの家事労働の頻度やそれらへの嗜好と、社会階層の間に相関があっても特に不思議ではない、と思うのですけど。どうなんでしょうかね。

なんかソースティン・ヴェブレンの「顕示的閑暇」とか昔読んだなー、とか思いだしてしまいました。

有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)

有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)

自分の感覚では、むしろ社会階層が低い、というか所得がかなり低い層になると、そちらのほうが日頃料理をしていないのではないか、という気がします。まともなキッチンのある住宅に住めない、という人だってかなりいそうだし。で、生活に余裕のある階層のほうが、文化資本の一部としてというか、まぁ本来はしなくても困らない料理を「わざわざ」やってそうな気がしますけどね。これが掃除とか洗濯だとまた違うんじゃないかな。
あー、適当です。適当言ってます。でも何か調査とかした人いないのかな?


ところで、社会階層と家事労働というネタでいつも思い出すのは、Margarete Schütte-Lihotzky のフランクフルト・キッチンですねー。1920年代のドイツで、労働者向けの集合住宅のプロジェクトで集合住宅のために考案されたものです。召使いもいなくて、狭いキッチンで働く奥様に合理的なキッチンを!家事労働の合理化!テイラー・システムを家庭にも!「非生産的」な家事労働からの解放を!(って最後のはどうかと思いますが)
いやー、こういう(過剰に)理想に燃えたモダン・デザインのムーヴメントが、僕は好きなんですよねぇ。