10年前の自分に教えたい料理の始めかた


もうすっかり妻に教育されて、そこそこの食事なら一応まともなものが作れるようになってきました。しかも意外と俺うまくね?才能あんじゃね?などと思いつつ…まあこう思ってしまうあたりが妻の思うツボなのでしょうが、なぜ結婚するまでやらなかったんだろう…なんて考えたり。ま、もちろん今だって面倒くせーなー、という日も少なくないのですが。

それにしてもですよ、一人暮らしは10年以上やってたんですが、ついにその間は自炊の習慣は身につきませんでしたよ。なんでだろうな。何度かやろうとしたんだけどなあ。よくわからないけど、でももし「よし、自炊するぞ」と思ってる10年前の自分に会ったら、どんなアドバイスをするだろうかとか、ちょっと考えてみました。ライフハック(笑)*1

節約を目標にするな

「金がないから自炊」というのは、お前には向いてない。ろくに料理も知らないくせに、ジャンクフードよりも安上がりに、かつ長期的に自炊ができるとでも思ってるのか?甘いな。節約生活とかテレビなんかでやってるが、あれは体力のある奴が身体を壊しそうになりながらやるか、料理を知りつくした奴が知識を総動員してやるもんだ。お前には無理。最初は弁当買って食うのと同じ程度か、もうちょっとかかるくらいに思って始めたほうがいい。最初から節約ばかりを念頭においてると、まともな調理法も食材の使いかたも覚えられない。

それよりも、「まともなものを食う」ことを目標にするんだ。毎日毎日コンビニ弁当やらジャンクフードばっかり食いやがって。いや今だってジャンクフードは好きだが、しかしそんなに毎日ってのはあんまりだ。まずまともなものを自分で作って、食い改めるんだ。

とりあえずレシピどおりやれ

工夫すんな。オリジナリティ?お前にはまだ早えんだよ、このド素人が!そういうことはな、どういう材料を何に使って、どういう段取りでどのタイミングでどんな調味料を加えたり火加減を変えたりすればどんな味がアウトプットとして出てくるか、予想ができるようになってからやるもんだ。
だから。計量カップを買え。計量スプーンもだ。計りや温度計は…これはまあ、とりあえずなくてもいいだろう。時間もある程度ちゃんと計りながらやるんだ。何も秒単位でやることはない、だいたいでいい。そして、覚えろ。丸暗記じゃない。パターンを覚えるんだ。醤油と味醂と酒と砂糖の割合は、どんな料理のときにどうなってるのか?最初から鍋に入れるものと、煮立ってから入れるものは何と何か?別々に炒めるのはどんなときか?これはこないだ作ったやつと手順が似てるかとか、そういうことを毎回意識しながら作るんだ。
料理というのは手続き、段取りだ。それはプログラミングや、外国語の習得に似ているところがある。だからパターンを抽出することが近道だ。「お母さんを手伝ってるうちに自然に覚える」のと違って、お前の場合は外国語を大人になってから勉強するようなもんだ。だからまず文法、つまりパターンを掴め。そうすれば、その後は応用が効くようになる。

料理本は「10代の女の子」が買うようなやつを買え

お前のような初心者は、丁寧に説明されてる本がいい。だから「素敵なお嫁さん」を夢みてるような女の子*2が読みそうな料理本を買うんだ。そう、若い女性向け雑誌の別冊とかだ。あの手の本はいいぞ。何しろ親切丁寧だ。何にも知らない常識ゼロでも大丈夫なようにちゃんと書いてあるんだよ。「そんなの当たり前だろ…」と思うような事まで書いてあるからな、案外知らなかったことだって出てるもんだ。レシピの種類だって結局は「男の子がグッときちゃう」ようなのが載ってるわけだから、それで正解なんだ。
男性向けの「男の料理」的なやつでも構わないんだが、あまり酒は飲まないんだし、つまみの作りかたとか要らないだろ?それに、ちょっと写真が暑くるしいのと、デザインがどうしてもビジネス書コーナーみたいだからな。ま、お前は読む気しないだろう。

毎日のようにスーパーへ行け

買うものが決まってなくてもだ。今日の材料が全部揃っていてもだ。スーパーに行くことが日常の習慣になるようにするんだ。
本屋に行くことを考えてみればいい。お前は外出するとたいていどこかで本屋に立寄るだろう?買いたい本でもあるのか?無いよな。だけど、そこで発見することだってあるわけだ。あるいは今どんな本が平積みになってるか、だいたい知ってるだろ。日常的に立寄ってるからこそ、そういうことが可能になるわけだよ。
これをスーパーに置きかえれば…言いたいことはわかるだろう。習慣にするんだ。

片付けが楽になるよう工夫しろ

「面倒くせー」と思うのは、案外料理すること自体じゃなかったりする。慣れてくれば、作ることそのものは大抵楽しくなってくるもんだ。問題は、後片付けだ。疲れてる日は、今日自分で作るかどうか想像したとき、作って食べるところまではいいんだが、その後で洗い物をする手間を想像して萎えるってことがよくある。
作ってる最中にも、待ち時間に道具を次々に洗っておく習慣をつけるんだ。それから食器を選ぶときに洗いやすいかどうかも検討しろ。どうせ一人者だ、面倒くさい日は鍋から直で食ったっていいんだ。なるべく「うあ、めんどい」と思わずに済む方法を考えるんだ。
経験的に、自炊が続かないのは結局「面倒くせー」と思った日で途切れてしまうからだ。本当に面倒なときはもちろんサボってもいい、だがサボる日が極力少なくなるような工夫も必要だ。今忙しい時期なんだったら、自炊を始めるのはもうちょっと落ち着いてからにしたっていい。とにかく楽にやることだ。頑張るな。

ドレッシングは買うな

もちろんサラダを食うなってことじゃない。ドレッシングなんてのはな、酢と油を混ぜりゃあそれでいいんだ。あと塩胡椒だ。もうそれで十分だ。酢と油の種類でバリエーションもかなり楽しめる。慣れてきたら他の調味料も入れてみればいい。
ドレッシングに限らず、いわゆる出来合いのものは、案外自分で作っても手間ってほどじゃないもんが多い。ドレッシングなんかまさにそうで、自分で作ると言うとやらない人からは褒められるが、実際は野菜に酢をかけて油をかけて塩胡椒でおしまいだ。ちょっとずつしか使わないのに出来合いのドレッシングの瓶で冷蔵庫を圧迫するこたあない。
だしだってそうだ。昆布だしなんか、お湯をわかす時間がありゃできるんだ。粉末を入れるのと手間としてはほとんどかわらない。もちろんどうしても手間のかかるものは出来合いを使えばいいが、たいていは無くてもなんとかなるし、自分で作ったほうが旨い。それに応用も効くようになる。

冷蔵庫をデカいのに変えて、電子レンジを買え

一人だからって、おもちゃみたいな小っちゃいのだろ。で、そこに野菜は何種類入るかね?作り置きはどれくらい入れられる?
まあ、金のかかることだから様子を見ながらでいいけど、ある程度やるようになったらどうしても冷蔵庫はそれなりの大きさが必要になってくる。そういうものだ。
それから電子レンジ。ものすごく重宝するから、必ず買え。オーブントースターは無くてもいいから。パンなんかフライパンで焼いてもいいんだってば。だから電子レンジを買っとけ。冷凍したごはんを解凍しろ。多めに作ってチンして食え。残りものを次々食ってれば、一日に作る品数が少なくても、いろいろ食えるだろ。




うおー、なんか書いてみたらスゲー長くなった。料理について自分にこんなに書くことがあるってことに改めてびっくりした。てか、まだまだ言いたりないくらい…。

あくまで「10年前の自分」に向けたアドバイスですが。でも10年前の自分がこのアドバイスで自炊できるようになるかというと…むー、やっぱそれは怪しいかもなー。あ、そうだ。

誰かに食わせろ

ちゃんと作ればたいていは「うまい」と褒めてくれるから、それをモチベーションにするんだ。




うーむ、これ重要…僕の場合これができなかったから結婚するまでうまく続かなかったのかも…。

*1:使いかたが間違ってる

*2:もう少ないのかもしれないが