「書けること」「書きたいこと」「書けないこと」―たとえばDRコンゴの話
先日の料理ネタのエントリではブクマが伸びるだろうなーってことは、ある程度予想できました。が、実際そのとおりになると、また色々と考えてしまいますね。
何しろ僕は左寄りの人で、わりに政治や時事ネタが多いわけですけれども、全然そういうんじゃないネタがこの日記の一番の人気記事になってしまった…。いや、ありがたいのはありがたいんですけれども、一方でなんだかなーという気分が拭いきれません。「なんだかなー」というのは、別に衆愚とかいう話ではなくて、自分が書きたいと思ってても書けずにいることのことです。
人に読んでもらえるように自分が「書ける」ことがある一方で、全然書けないけど、本当は人にこういうことをもっと知ってほしい、ということがあります。たとえば、コンゴ民主共和国のこと。
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ほんとうにひどい状況が続いていて、マスコミでは取り上げられることも滅多になくて、ただ自分としてはそれなりに関心を持ってフォローしているのですが…。この話がうまく書けないんですよね。あまりにひどくて、どう書いていいかわからない。自分の言葉で何か言える気がしないんですよ。
この一年半、彼女は国境なき医師団(MSF)と共に働いている。最初は避難民キャンプの介護員として、現在は、心理社会ケアのアシスタントとして働いている。彼女は悪夢のような話を耳にする。「人びとは、捕まえられ、バラバラにされ、料理され、食べられているのです。人を食べるなんて、ひどすぎる話です。また別の人は、ジャングルの中で木を運ばされています。彼らは火を起こせと言われ、結局はその火で自分たちが生きたまま焼かれてしまうのです。私には理解できません。」
引用した記事は、今年5月のものです。いま、こういうことが起きている。90年代からの「アフリカ大戦」とまで呼ばれた戦争のことなんて、それがあったことに気づいてさえいない人が圧倒的に多いんじゃないかと思います。自分も当時は気がつきさえしなかった。400万人が犠牲になったとも言われているのに、まるで出来事そのものが存在しなかったかのようです。おそろしい。これは僕にはとてもおそろしい。だから知ってほしいと思うわけなんですけれど、書けない。
本当に書きたいこと、書くべきことを自分の言葉できちんと書くこと、しかもしれを人に読んでもらえるような言葉で書くというということ。「書けること」を書くのに比べると、それってすごく難しいんだなーと感じてしまいました。精進しよう…。