9.11陰謀説とか
9.11同時多発テロがアメリカ政府による陰謀(自作自演)だったのではないかという話が、いろいろなバリエーションで語られています。ある方面のブログなんか*1でも時々見かけますが、特に、アメリカ政府に批判的な立場の人々のあいだでは結構人気があるようですね。案外、息が長い。
どの程度までこの種の話が広がってるかというと、一般のブロガーだけの話じゃなくて、例えば9条ネットから出馬した天木直人のブログに「9.11六年目の真実」とかいう DVD の広告が載っていたり、国会議員が陰謀論を基に発言したりする(ペンタゴンに突入したのは飛行機なのか?とか言ってる)くらいの状況ではあります。
しかし、この「疑惑」とやらをいろいろ挙げている人達の文章を見ていると(kikulog - 陰謀のふたつの顔 とかで。頭に悪い影響がありそうなので、あまり熱心には読まないようにしてますが…)、なんというかこう、頭がボーッとしてきますな。9.11陰謀説を支持する、あるいはそこに出てくる「疑問点」に同調する人々に特徴的なのは、決して全体を語らないということにある気がします。個々の「疑問」とやらは一応(そのような疑問を持つ人がいることは)理解できるのですが、彼らが事件を全体としてどういう構図で捉えているのか、これがさっぱり理解できない。なにしろ、個々の「疑問」に対する推測が互いに矛盾していたり、レベルが全然違っていたりする。どうも「疑惑」に捕われてしまった人達は「仮にその疑惑が正当だったとして、ではどのような全体像が描き出せるのか」ということをほとんどマトモに考えていないようなのです。疑問点を多数あげていくことには熱心ですが、事件全体を整合的に説明する努力はほとんどないようです。
「陰謀説を否定するなら納得いく説明をして下さい」と言う人もいるみたいですけど、僕は陰謀説を肯定したらますます納得いく説明が不可能になると思うのですが…。
まあ、社会的な影響はまだごく限られているとは思いますが。けどこういうのにハマってる人って、アメリカ政府に批判的な人たち、他の面では非常にリベラルであったりする人達とかなので、ちょっと気になりますよ。あれじゃホントに「お花畑」だもんね…。なんかイヤだなあ。