奴隷は日本にもいますよ


ものすごい他人事っぷりの人が結構いるようで。
はてなブックマーク - 9歳の少女が奴隷として50ドルで売られている - GIGAZINE
「ひどい奴ら」はどこか遠くにいるだけじゃありません。


人身売買は日本でも行なわれています。というか、日本は「売り先」として知られているのです。日本における人身売買の状況については、駐日アメリカ大使館の報告書が大変よくまとまっています。

日本は、商業的な性的搾取のために売買される男女や子供の目的国であり、これより頻度は少ないが通過国にもなっている。身元が特定された人身売買の被害者の大半は、仕事を求めて日本に移動してくるものの、だまされたり強制されたりして、借金に縛られ、あるいは、性的奴隷状態となった外国人女性である。移民労働者の中には「海外研修生」制度という名のもとで強制労働の状態にある者がいることが報告されている。女性と子供は、中国、韓国、東南アジア、東ヨーロッパ、ロシア、そして規模は少ないが中南米から日本へ売買されている。また、日本人の未成年女子や成人女性が性的搾取のために国内で人身売買されることも問題となっている。この1年間に、活発化する日本の風俗産業で女性を搾取する者は、人身売買被害者が逃亡したり助けを求める機会を制限するために彼女らを支配する方法を変更したようである。人身売買業者は、通常、日本の組織犯罪集団(ヤクザ)の構成員や準構成員であり、女性の被害者の多くは、彼らの報復を恐れて進んで助けを求めることをしない。日本人男性は、東南アジアで児童買春ツアーに関与している。

良い仕事があるなどと騙されて連れてこられ、売られてしまうというパターンが多いのです。借金で身動きをとれなくさせ、性的搾取の対象とされるのです。そしてそういう人々は、なかなか被害を訴えるのが難しいのです。

2006年に法執行当局が確認した被害者の数はわずか58人で、2005年の117人から減少した。この被害者数は、日本が直面していると思われる人身売買問題の規模から考えるとあまりにも少なすぎる。実際の規模は、政府の統計をはるかに上回ると推定されている。人身売買業者が活動を地下に移したことも理由のひとつかもしれないが、人身売買被害者とともに活動するNGOは、政府が、風俗産業の外国人女性など、弱者グループの被害者の捜索に積極的でないと主張している。

日本政府は以前に比べれば人身売買撲滅のための努力をしていると言っていいと思いますが、まだまだ不十分だといわれています。問題の性質上、実際の規模がどの程度なのかはなかなかわからないという問題もありますが。


先の GIGAZINE の記事には「日本ではまずお目にかかれないのですが」とありましたが、案外「見れども見えず」というだけなのかも知れませんよ。