妙だな、と感じる理由


はてなブックマーク - 痛いニュース(ノ∀`):光市母子殺害事件 弁護側「死姦は蘇生行為」と主張
どんだけ煽られやすいんだよ、と。


伝えられているような主張は、確かにかなり無理があるというか、苦しいと見えます。死刑を避けるためになりふり構わない、というように見える。弁護団は21人。つまりこの主張を頭のおかしな主張、と捉えるなら、21人が足並みを揃えて異常な行動をとってることになる。もし本当そうなら、相当に異常な事態だし、ということは「そういう見方のほうがおかしい」って可能性もそれなりにあるってことだ。


弁護団の代表は安田好弘という人物なんですね。凶悪犯の弁護をずいぶん引き受けているらしい。安田弁護士自身が逮捕されたときには、多くの弁護士が弁護しようとしたとのことで、同業者からの信頼はかなりあるんでしょう。被害者遺族会の中にも彼を支持する人がいる、と Wikipedia にはありますね。少なくとも、これまでずっと滅茶苦茶なことをやってきた人物ではなく、実績があり、また彼を信頼している人も少なからずいるということはわかる。

マスコミからは以前から叩かれてるようですね。前に口頭弁論を欠席したときには、マスコミは被害者側の「侮辱だ」という発言を何度も何度も流してましたが、一方、弁護側の事情を対等に取り上げることはほとんど無かった。過去にそういうことがあったんだから、今回だって弁護側の意図が充分伝わるような報道がされてるって保障は無い、と見たほうがいいと思いますけどね。

そして凶悪犯は当然嫌われるので、それを弁護する人が一緒に嫌われてしまう、という事態は容易に起きるでしょう。


主張の内容も、どういうわけか弁護団がでっちあげたもの、とみんな決めつけてるけど、なんか根拠あるの?接見したときに被告の口から新しい主張が出てきた、って丸激では言ってたんだけどな。そりゃそれだって嘘かもしれないけど、断定はできんでしょう。充分ありうる話だと思いますけどね。


死刑制度廃止という目的にこの事件を弁護団が利用している、という人には、もうちょっとよく考えてみたら?と言いたい。今では、凶悪犯に対する弁護が話題になる度に「頭のおかしなエセ人権派」って言われつづけてるじゃないですか。死刑廃止という主張は極悪人の肩をもつイカれた連中のすること、みたいなイメージをもってる人がかなりいるってことは、誰だってわかってるでしょう。無理めの主張をしたら、死刑廃止運動にとっては却ってマイナスになる、なんてことはさ、言われなくたってわかるだろうよ。にもかかわらず、こういう弁護をするっていうのは、むしろ僕には「死刑廃止運動にはマイナスかもしれないが、運動のために一つの事件を犠牲にすべきでない」という考えのあらわれなんじゃないかとも思えますけどね。

また逆に言えば、死刑廃止を実現したければ、こういう凶悪犯の減刑を狙うような無理な弁護はするな、とおっしゃるわけですよね。でもそれってさー、運動のために個人を犠牲にしろってことになりませんか?僕は嫌ですね、そういう考えかたは。


ま、もちろん裁判やってる最中だし、わかりませんよホントのところは。ぱっと見、たしかに無理っぽい主張ではあるしね。弁護団は21人そろって悪意に満ち満ちてるのかもしれないよ、皆のコメントにあるようにね。でも、そこにもっと何かあるんじゃないか、って思わないの?変だと思わない?「知るか、あいつら(人権派でもなんでも、お好きに)の頭がおかしいだけだろ」てのは、要するに何も考えてないってことでしょう。そうやって弁護団を気違い呼ばわりして安心しちゃっていいの?

なんというか、みんながマスコミと一緒に「共通の敵」を見いだして、一緒になって叩いて集団で陶酔しちゃって、何故だか知らないけど突然マスコミを全面的に信用しちゃって、口々に憎しみを吐きだしてる様が、僕はもう気色悪くてしょうがない。きんもーっ☆です。