「真理追求」「個人尊重」「創造性」「正義」「男女平等」よりも、「我が国と郷土を愛し」のほうが重要らしいよ


赤旗の記事を読んでギョっとした。
学校教育法改定案/消えた「男女平等」/徳目に「戦前」色
改正された教育基本法(pdf)を改めて見てみると、教育の目的と目標のところで色々な項目が挙げられています。そこには「真理を求める態度」「豊かな情操と道徳心」「健やかな身体」「個人の価値を尊重」「創造性」「正義と責任」「男女の平等」「生命を尊び」…などなどが並んでいます。


そいで、「学校教育法等の一部を改正する法律案」の概要(pdf)を見ると、

○改正教育基本法を踏まえ、義務教育の目標に次の事項等を規定
規範意識、公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画する態度
・生命及び自然を尊重する精神、環境の保全に寄与する態度
・伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度、他国を尊重し国際社会の平和と発展に寄与する態度

というかたちで「改正教育基本法を踏まえ」とあるわけですが、えーと…どうしてそれだけなの?
学校教育法の改訂案の新旧対照表(pdf)を見ると、この目標をまとめたあたりの記述は新設という形になってるようなんですね。なので「次の事項」に挙げられてるものは、今回の基本法の改正から引かれてるわけなんですが、基本法のほうではほぼ同列に挙がっている様々な項目のうち、一部だけが学校教育法の改正案に入ってきてます。でその一部ってのが、上に挙がってるようなものになってるわけで、まあ露骨に本音が出てますね。入ってるものには結構な「徳目」もあるんですが、基本的な目標であるはずのものが入ってない。要約とかじゃなくて、入れたくないものを排除したとしか見えません。これを恣意的と言わずに何と言うんでしょうか。
このあたりの対照表は赤旗の記事のやつが見やすいです。


あと記事によれば「男女平等」が入ってない背景には「美しい日本をつくる会」なんかがあるんだそうだけど、この会ってのがまた、

こうした社会や学校の乱れの原因は、共産主義フェミニズムに根ざした男女共同参画社会基本法でございます。

個人の人格を破綻させ家庭を壊す男女共同参画社会基本法を廃棄しなければ、遠からずわが国は亡国の危機に直面することになりましょう。

…なんかものすごい強い電波が観測される感じなんですけど。フランクフルター陰謀論の臭いがするんですけど。


これが美しい国戦後レジームの脱却ですかそうですか。