ビルマでインターネットが遮断/軍政の人権侵害
武力によるデモ鎮圧が続いていると伝えられているビルマですが、情報統制をさらに徹底してきたようですね。
The government disconnected the Internet at 11 a.m. today, adding to the country’s isolation. The leading ISP, an offshoot of the ministry of technologies, tried to blame it on a technical problem with an underwater cable. Reuters said no one was answering the phone at the ISP’s headquarters.
「海底ケーブルの技術的問題」って、馬鹿にしてんのか…?
報道を見ていても、散発的に入ってくる未確認情報がいろいろとあるものの、実際に犠牲者がどれくらい出ているのかも把握できないような状況ですね。こういった情報の封鎖という動きを見ると、長井さんもカメラを持っていたことで意図的に狙い撃ちされたんじゃないかという疑いも濃くなってきます。
しかし日本政府はこんな状況になってもまだ様子見とは、なんつー生ぬるい対応なんでしょうか。ジャーナリストが殺されるというのは、非常に象徴的な出来事であるはずだと思うのですが…。また、そもそも今回のような最悪の事態に陥る前に、もっと積極的に働きかけているべきだったはず。以前から軍政による人権侵害はかなりひどかったわけで。
ビルマ(ミャンマー)における人権侵害は広範かつ組織的なものである。子ども兵士、強制労働も含まれる。政治的反対者を犯罪化する法律もある。2006年の終わりには、反政権側の主な指導者のほとんどが投獄ないし行政拘禁されており、彼らを含め1160人の政治囚が劣悪な状況の下で拘禁されていた。人びとはしばしば令状なしに逮捕され、隔離拘禁される。拷問その他の残虐、非人道的かつ品位を傷つける取り扱いが、特に尋問中や裁判前の拘禁時には、常態化している。政治囚に対する法的手続は、公正な裁判に関する国際基準からは程遠い。被告人はしばしば弁護人に会う権利を拒否され、検察は拷問で得られた自白に重きを置いている。
これまでの状況に関しては、こちらも参考になるかと。
BurmaInfo: ビルマ問題入門(根本敬)
この文章では、少数民族に対する人権侵害にも触れられています。
このほか、少数民族による反政府武装闘争を鎮圧するため派遣されるビルマ国軍の将兵たちが、少数民族居住区において、一般住民に無法な振る舞いを行っていることも深刻な人権侵害の一つと言えます。一般の村人がポーター(運び人夫)として国軍に強制徴用され、武器や弾薬を運ばされるだけでなく、男は人間地雷探知機として地雷敷設地帯を国軍部隊より先に歩かされ、女性は夜間に将兵らの慰安婦(性的奴隷)にされるなどの被害が、命からがらタイ側へ脱走した元ポーターの難民たちによって生々しく証言されています。国軍部隊の命令に背いたという理由だけで村や集落が国軍部隊によって焼かれるという事件も、国際人権団体や英国国営放送(BBC)の報道を通じて伝えられています。
こんな状況でなお「慎重な対応」などと言うのは、実質的には軍政側を支援しているようなものなんじゃないでしょうか。それにしても日本政府はホントに人権問題に無頓着だよな…。