橋下府知事の「理由」


これとか。

大阪府知事選に初当選した橋下徹候補(38)は31日、来年度予算編成で府債発行(借金)を認めない方針を事実上、撤回した。府債の一部は地方交付税が充当されることを知り、30日に一部容認する方向に転換。この日は、「(発行しないという)それまでのコメントは政治的な戦術もある」などと、従来の発言を翻した。

「知らなかった」のは、まあそういうコトもあるかもしれません。が、「政治的な戦術もある」っていうのは「たとえわかっていたとしても実行できないことを発言することもある」ということでしょう。つまり場合によっては「わざとごまかすこともある」と。

橋下知事は選挙中、校庭の芝生化や保育施設の整備など、出産・子育て支援を中心とした17の重点事業を掲げていた。だが、会見では「財政再建が第一。大阪府が転覆してしまっては元も子もない」と語り、2月議会で審議する新年度当初予算案には盛り込まない考えを表明。13日に発足する重要政策プロジェクトチームで検討し、6月までに補正予算に計上するかどうか判断する。

ここでも公約を凍結。補正予算がどうなるのか、しっかり注目しておかないといけませんね。


ていうかまあ、あれだ。この人を「消去法で」とか「一番現実的」とか「他の候補がダメだったから」とかいう理由で選んだ人は、しっかり批判したらいいと思いますよ。ダメなところもあるのはわかってるのでしょうから。黙ってたらダメなところにも賛成してると思われますぜ。たとえば「弱者切り捨てに賛成したわけじゃない」人は、弱者が切り捨てられそうになったらきちっと批判してほしいですね。僕は選挙の経緯はほとんど追ってませんでしたが、ハタから見てても最初からこの調子じゃあ、この人がこの先ガンガン発言を撤回してきても僕は驚きませんね。「2万%でも。何パーセントでもあり得ない」はずの行動を起こしちゃう人ですからね。こういうの、橋下府知事の大好きな「世間」ではふつう「二枚舌」と呼ぶことになってると思うんですが。


「仕組みを知らなかった」?「財政再建が第一」?…まあいいでしょう。理由があるのはわかります。だけど、約束を守らなかった時は誰でも理由を言いますからねぇ。それに約束に限らず、この人はこれまでさんざん色々な場面で「理由」を説明してきましたから。「忙しいから」自分は懲戒請求しない、とかね。これから先も前言を翻す時には必ず「理由」を説明してくれるでしょう。問題は「消去法で」選んだとおっしゃる方々が、いつになったら「なるほど橋下の言うとおりだ。しょうがないな」でなく、これを「言い訳」と呼ぶようになってくれるか、だと思いますが。まぁ普通なら、さすがにもうそろそろ発言を信用してもらえなくなってもいいと思うんですけどねぇ。どこまでも「しょうがない」「現実だ」で納得する人も多いのかもなー。
府民が他の候補を選べなかったというなら、きっと皆ダメだったのでしょう(少なくとも主観的には)。でも、結果として選んだ人が不誠実だったら、放置すべきでないはずです。


これも、

大阪府橋下徹知事は9日、今後はNHKのスタジオ収録には出演しない考えを示した。8日に大阪放送局の番組に出演した際、対応が不適切だったとして「黙っていてもお金が入ってくる組織はこういうものか」と批判。ただ、取材を拒否する考えはないという。

僕なんか「ああ、そのうちまた出演するんだな」としか受け取れませんわ*1


この人に関して今僕が一番腹を立てているのは岩国の住民投票を批判した件なんですが、それについてはまた。

*1:ところでこれ、NHKじゃなかったらこういう反応はしなかったんじゃないかなー、という気はしますね