犠牲者をダシにすんな


たまたま続けて読んだ産経の記事2本。


一つはこれ。
仲良し家族が…“安い中国製に押され”足立・4人死傷(産経新聞) - Yahoo!ニュース

中国脅威論を言いたいのは構わないが、そのためにこんな痛ましい事件をダシにする性根が信じられない。


もう一つはこちら。
【政論探求】「反基地」勢力が叫ぶいかがわしさ (1/2ページ) - MSN産経ニュース

 それにしても、一部メディアのヒステリックな伝え方はいったいどう理解したらいいのか。事件は事件、安保は安保、と冷静に切り離し、日米同盟の死活的な重要さに思いをはせてこそジャーナリズムだ。
 「住民自決は軍命令」と信じて疑わない体質と共通する情緒的反応の弊害を、そこに指摘しないわけにはいかない。

なにこれ。笑うとこですか?「事件は事件、安保は安保」と切り離して、かわりに何の脈絡もなく住民自決の問題をネジこむのがジャーナリズムとはね。

 「知らない人についていってはダメ」。筆者などの世代は子どものころ、親から口うるさく言われたものだ。
 米軍基地が集結する沖縄である。夜の繁華街で米兵から声をかけられ、バイクに乗ってしまう無防備さ。この基本的な「しつけ」が徹底していなかったことは無念、という以外にない。

一体何を言ってるんだ?しつけをしっかりしてれば反対派が勢いづくこともないのに、とでも言いたいのか。「しつけ」が必要なのはアンタのほうだよ(あともちろん当の米兵な)。事件の深刻さなどどうでもよくて、ただそれをダシにして基地反対派を批判したいだけではないか。前半では

この事件を政治闘争の具にするというのでは、被害少女への思いやりを欠くというものだ。こういう事件を前にしては、人間の尊厳に対してどこまでも誠実でありたい。

とか書いてたが。被害少女に「しつけ」が徹底していなかったと言うのが思いやりかい。そうかいそうかい、ユニークすぎて怒りで手が震えてきたよまったく。


昨年、広島県知事がやはり米兵による暴行事件の際に「朝の3時ごろまで、盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思うんでありますけれども、米兵による暴行事件が起きました」と発言してました。どうも世の中にはこの発言が「正論」に聞こえてしまうという不思議な日本語力の持ち主が多いようなので、そういう人たちからは上の記事も「正論」と呼ばれるのかもしれませんがね。この記事のほうが広島県知事発言よりさらに低劣だけどな。