いい加減愚かさに気付きたまえよ、稲田議員


via: また稲田か… - Apes! Not Monkeys! はてな別館

靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画の国会議員向け試写会が、12日に開かれる。この映画は4月公開予定だが、内容を「反日的」と聞いた一部の自民党議員が、文化庁を通じて試写を求めた。配給会社側は「特定議員のみを対象にした不自然な試写には応じられない」として、全国会議員を対象とした異例の試写会を開くことを決めた。映画に政府出資の基金から助成金が出ていることが週刊誌報道などで問題視されており、試写を求めた議員は「一種の国政調査権で、上映を制限するつもりはない」と話している。


一部議員ってのは「自民党稲田朋美衆院議員と、同議員が会長を務める同党若手議員の勉強会「伝統と創造の会」(41人)」のことです。補足すると、エリートが祖国のために血を流すところが見たいという稲田議員と、彼女と一緒に軍歌を歌ったりする楽しい仲間たちということです*1。あと週刊誌報道などっていうのは、こちらによると週刊新潮神社新報のようです。
いやしかし、41人の若手諸君は、こんな稲田くんと同列に扱われると大変不名誉なことだから、早く逃げたほうがいいと思うよ…。


しかしまあ、こういう議員の無理難題というかゴリ押しというの話はときどき聞きますが、これはひどいよねえ。文化庁の担当もさぞ困惑したことでしょう。稲田くんの言い分としては、

この映画は中国人監督により作られた映画で、靖国神社をテーマにしたものですが、なかに「靖国刀」をクローズアップして、「百人斬り」の新聞記事や真偽不明の南京事件の写真を使って、反日映画になっているようです。
 問題はこの映画に対して、文科省所管の日本芸術文化振興会から「記録映画」として助成金750万円が交付されていることです。

ということらしいですが、どこが「事前に見せろ」という理由になるのか理解できません。「事前に見なければならない理由が必要」だとは考えてないのかもしれない。議員が見せろと言ったら見せるもんだとでも思ってるんじゃないかな*2
単に批判するだけであれば、公開後でも一向にかまわないわけです。日本芸術文化振興会助成金の使い方がおかしいと言うことだって、公開後に言っても全く何の問題ありません。当該の映画がイデオロギー的であるかどうか、事実に反する部分があるかどうか、もしそうだとして助成金の支出が妥当であるかどうか、そういった問題と全然関係ないのよこれ。事実上の検閲だもの。映画の配給を制限したり、圧力をかけたりする意図が本当にないならば、事前に見る必然性はまったくないわけ。にもかかわらず国会議員がイデオロギーを問題視して公開前の試写を要求するというのは、その要求自体が極めて重大な問題と言うべきです。見たあとでどういう行動を取るか、また取らないかにかかわらずね。その事に気付いてないんじゃないかなー、この人あたまわるいから。

*1:「軍歌をうたいつぐ会」は「伝統と創造の会」そのものではないけど

*2:国会議員のその手の横暴はよく耳にします