DIS-preconditions
差別的な考えや表現を強く批判すると、よく「言論封殺だ」とか「自分こそ差別してるのに気づいてないのか」とかいうコメントがつくことがありますが、もちろん批判対象の表現の自由を否定するつもりもなければ、批判が差別と同じだなどとも思ってないわけですが、いちいちそういう「お断わり」をしてないと毎回そうやって非難する人がいるというのはどうにかならんのでしょうかね。僕に限らずあちこちでよく見かけるんだけど。差別批判に限らないけど、差別的な表現を批判するとほぼ確実にそういう人があらわれる。
あれか、アメリカの映画によく出てくるような「あなたには黙秘する権利がある。あなたの言ったことは法廷で不利に…」みたいなやつを、誰かを批判するたびに入れておく必要でもあるのかな。「批判対象の言論の自由は尊重します。批判対象には私の議論に対して批判、反論などをブログその他の方法で行う権利があることを理解しています。批判しているのは発言の内容であり、対象者の人格を揶揄する意図はありません。私は相手を批判しますが、相手に対して行われるいかなる差別にも反対します」とかなんとか一通り揃えて、誰かを dis るたびに冒頭にでも入れとくのか。
まあ批判と差別を混同するような奴はほぼバカと見做していいんだろうけど。あ、もちろんバカであっても基本的人権は尊重されるべきであり、また言論の自由をいつでも行使する権利があるとことを僕は理解しており、また「バカ」というのは全人格的な否定ではなくそのような意見だけを対象にした批判ですよ、と急いでつけくわえておきます。でもまあ「黙れこのクソ野郎」とか思うことはよくある。もちろん「黙れ」というのは別に言論封殺を意図したものではないし、クソ野郎であってもただちに彼もしくは彼女の法的、社会的もしくは経済的な地位が貶められるべきといった主張をしているわけではないですけどね。
…やってらんない。
あれだ。Creative Commons みたいに、こういうのの条件をセットで用意しといて、必要に応じて選んで表示できるようになってればいいかもしれない。by-nc-sa みたいに組み合わせて。例えばさ、
- 批判対象の基本的人権を尊重(CC の by と同様、デフォルトでつく)
- 人格批判の意図なし(本当に人格を批判したい場合にはつけない)
- 表現の自由を推進/表現の自由の一部制限(批判の意図が「差別表現を制約すべき」というようなときに影響)
とかね。
そんでこれ RDF とかで実装できるようにしてエントリごとに埋めこむの。トラバ先とかも自動的これを読みこんで、どういう意図の批判が届いてるかわかりやすくしたりして。ま、それでも「自分でつけてる条件と内容が矛盾してるじゃないか」というようなことは起きるでしょうが、少なくとも「わざわざ言わなくてもいいだろ」的前提を書かなかったからといって「自分で気づいてないのか?」などと言われずに済むんじゃないかなぁ。主観的であれ「前提として自覚してること」を明示できればさー。
いやまぁ、ちらっと思っただけです。が、セマンティック・ウェブの使いみちとしてそういうのってどうなんだろうな、とか。