虐殺を傍観する世界


ガザの状況は全く好転する気配がないどころか、地上侵攻でさらにひどくなっています。

パレスチナ自治区ガザ地区にある国連機関の学校3校が6日、同地区に地上侵攻しているイスラエル軍の攻撃で被弾し、避難住民ら少なくとも45人が死亡した。イスラエル軍は同日、地区南部にあるイスラム原理主義組織ハマスの拠点都市ハンユニスに戦車部隊を投入し作戦を拡大。先月27日の空爆開始からのパレスチナ人死者は640人に達した。


避難場所となっている学校を攻撃するなど、どう考えても許されるものではありません。イスラエルにとっては停戦を遅らせれば遅らせるほど目標に近づくわけですが、パレスチナ側の被害は拡大する一方です。これだけの犯罪的な攻撃、一方的な虐殺を前に、日本の首相は年初にこう応えています。

まず、最初にイスラエル軍パレスチナガザ地区への侵攻の前に、昨年の末、オルメルトイスラエル首相)、今年、昨日かおととい、アッバスパレスチナ自治政府議長)、それぞれ電話で会談いたしております。それぞれ双方に自制を求める旨、話をしましたし、人道支援を日本としてはやることにしていますけれども、それらの医療物資などなどを搬入するにあたっては、これはイスラエル軍に阻止されるということがないようになど、いろいろ話をしておりますけれども。この問題は、これはなかなか簡単な停戦というようなことに至らないだろうというのは、私も世界中の識者とほぼ同じ意見を持っております。長い話で、もともと(イスラエルパレスチナ側から)ロケットを撃ち込まれた話からスタートしておりますんで。あのー、それに対する報復ということになりますんでー、そういった意味では、事のスタートからなかなか話はまとまりにくいであろうと思っています。


「双方に自省を求める」
「もともと(イスラエルパレスチナ側から)ロケットを撃ち込まれた話からスタートしておりますんで」


妖怪「どっちもどっち」。


しかし「パレスチナのロケット攻撃に対する自衛」とは違う見方も、もちろんあります。

嘘2:ハマスが停戦に違反した。イスラエルの爆撃はパレスチナ側からのロケット弾に対する対抗措置であり、ロケット攻撃を終わらせるためのものである。


そもそもイスラエルは停戦を守ってこなかった。当初からイスラエルはガザ領内に「特別治安地帯」を宣言し、この地帯に立ち入ったパレスチナ人に発砲すると宣言した。言い換えると、イスラエルは、農民をはじめ、自分自身の土地に行こうとする人々をイスラエル兵士は撃つと宣言していたわけだが、これは、停戦に違反するだけでなく国際法にも違反している。

イスラエルによるパレスチナ人への発砲が起きていた----実際にそのいくつかでパレスチナ人が負傷していた----にもかかわらず、ハマスは、停戦が発効した6月19日から、11月4日にイスラエルがガザを空襲しパレスチナ人5人を殺して数人を負傷させたときまでは、停戦を守ってきた。

直接的な攻撃以上に、イスラエルによるガザ封鎖は誰の目にも明かな非人道的な措置だったはずです。

国連人権特別調査者は、イスラエルによるガザ封鎖は国際人道法に対する重大な侵害であると述べた。

ABCが報じたところによると、調査者リチャード・フォーク教授は、イスラエルがガザへの搬入を認めている食料では、飢餓と病を避けるにはギリギリであると述べた。

フォークは、イスラエルが続けるガザ封鎖は「徹底的な包囲攻撃」であるとし、イスラエル政府によるパレスチナ人への集団的懲罰は人道に対する罪に相当すると述べた。


こんな状況でイスラエルをまともに非難することすらできないようでは、いくら「国際貢献」などと言ってみても虚しいだけです。