宗教政策
という言い方が妥当かどうかちょっとわからないのですが。いやその、こないだ読んだドーキンスの "The God Delusion" (asin:0593058259) に続いて、今読んでる本。
- 作者: Sam Harris
- 出版社/メーカー: Knopf
- 発売日: 2006/09/19
- メディア: ハードカバー
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著者のサム・ハリスのことは全然知らなかったのですが、Wired の記事
Wired News: The Crusade Against Religion
の中でドーキンス、デネットと並んで宗教批判の三羽烏(?)みたいに紹介されてたので買ってみたわけです。薄い。内容的には、やはりキリスト教徒に対して宗教の不合理さと危険について語りかける、というようなものです。
昨年はドーキンスの "The God Delusion"、デネットの "Breaking the Spell"、でこのサム・ハリスの "Letter to a Christian Nation" と、立て続けに宗教批判本が出ていたようですね。特に、宗教右派が政治的な力を強く持つ今のアメリカの状況に対して危機感を覚えている人は少なくないようです。彼らにしてみれば、科学と宗教は本質的に矛盾しない、なんて呑気なこと言ってる場合じゃなさそうです。
日本では今はあまりリアリティがないですが。でも例えば、少子高齢化の対策として、移民の受け入れを進めるという選択肢はこれから現実味を持ってくるだろうと思います。移民の受け入れはおそらく軋轢をいろいろと伴うでしょうから、なるべく早めに始めて社会の変化があまり急激になりすぎないようにしたほうが良いと思うんですが、その際には、やはり宗教についてももう少し考えていく必要が出てくるんじゃないかと思ってます。これまでは「日本人は葬式仏教だねー」ですんでたかもしれませんが、移民として入ってくる人々は、当然宗教も持ち込むでしょう。その時、それをどう効果的に世俗化していくかってのは、考えておいたほうがいいんじゃないかなぁ。
According to a study by Paul Bell, published in the Mensa Magazine in 2002, there is an inverse correlation between religiosity and intelligence. Analyzing 43 studies carried out since 1927, Bell finds that all but four reported such a connection, and concludes that "the higher one's intelligence or education level, the less one is likely to be religious or hold 'beliefs' of any kind."
とかから、教育水準が高いと信仰が薄いという傾向が統計的には知られているようです。だから移民の子どもたちがちゃんと高い教育を受けることができるようにするというのは、それ自体としても当然必要なことですが、同時に宗教に起因する混乱を抑えるという効果も期待できそうです。ま、少なくとも一世代分の時間が必要ではありますが、宗教の世俗化ってことを考えれば、かなり穏当な方法だと思いますし。これだけで上手くいくというわけにもいかないでしょうけれど。