趣味

他にもあるけどそれら一切の俺の趣味は本当の意味での趣味じゃない。ほとんど学習。勉強みたいになってる。結局、多分俺が本当に自発的に楽しんでるものってほとんどない。全部「この趣味を取得したら、俺はチヤホヤされる」とか「こんな趣味を持ってる俺」的な、そういう自己顕示欲から来てるだけ。

「本当の意味での」とかマジでどうでもいいと思う。楽しめてないならやめればいいし、動機がどうあれ楽しめてれば続ければいい。


文化資本つーんですか、そういうのを親とか環境から得ることができなかったので、僕も半ば勉強みたいにして本を読んだり映画を見たりしてたことがあります。「こんなマニアックなものに詳しいオレ」みたいなのって、かなりあった。

でも別にそれでもいいじゃないですか。僕の場合は結局、若い時に多少無理めの本とか映画とか美術展とかを沢山見てきたことで、今の趣味が形成されてますけどね。そういう蓄積のおかげで、今自分がちゃんと楽しめるものはどんなものか、よくわかるようになってる。自分なりの評価を下せるようになってると思う。当時は周りに「すげー」と言われることが動機だった所もあるし、今もまあ全然無いわけじゃないけど、でもそうして「本当に好きでもないかもしれない趣味」があったことで、どういうものが良いものなのか、わかるようになった。趣味は確実に良くなった、というか自分の好みがちゃんとできてきた。


文化資本を相続できない人にとっては、結局、良い趣味を形成するには学習がどうしても必要なんじゃないかなぁ。そのモチベーションが周囲の評価っていうのは、別に悪いことじゃない。だって最初はそんなに面白くないもの。当たり前ですよ。何も知らずにいきなり現代美術とか見たって面白いわけない。「見方」がわかってないんだから。だから「学習」でいいんだと思う。そのうち面白さがわかってくるでしょう?
それに、そういうの気にして「本当の自分」とか「本当に自分が好きなこと」とかをどこかに求めたりするのは、全く不毛だと思うんですよね、僕は。ちょっとでも面白ければ、それは本当に面白いってことなんだよ、きっと。