弁護団は説明を怠っているか?


橋下弁護士は、光市母子殺害事件弁護団の弁護方針がなぜ懲戒事由にあたるのか、について次のように言っています。

一審・二審では被告人自身もその犯行態様を完全に認めており、最高裁までもその点については事実誤認は全くないとしていることについて、差し戻し審でこれまでの主張と全く異なる主張をするのであれば、なぜそのような新たな主張をすることになったのか、裁判制度に対する国民の信頼を失墜させないためにも、被害者や国民にきちんと説明する形で弁護活動をすべきだ。


その「説明義務」が懲戒事由になるのかどうかについては措きます。それよりも、たとえば今年6月28日に行われた記者会見では、記者たちから当然そのような質問は出ており、弁護団も丁寧に説明しています。
Yahoo!動画 - ニュース・天気 - アジアプレス ビデオジャーナリスト報告 - 山口県光市「母子殺害事件」 弁護団記者会見(1) 全6回
その説明に納得がいくかどうかは、人によって違うでしょう。しかし説明していない、とうのは明らかに事実誤認です。この記者会見以外でも、様々な場面で弁護団は説明をしています。ただし、それはマスコミ報道ではほとんどかき消されてしまっていますが。


記者会見でなくても、例えば最高裁の時の弁護人弁論要旨などは一般に売られている書籍にも載っています。ネット上にもある。僕だって読みました。読んでいれば「説明がマスコミを通じて一般に正しく伝わっていない」とか「その説明では納得いかない」とは言えるかもしれませんが、説明していない、とは絶対に言えないはずです。僕は、橋下弁護士がテレビ等の報道から受ける印象だけで語っているのではないかという疑いを強く抱いてしまいます。