新政権に、死刑執行の停止を期待する


政権が変わって、新しい内閣で法務大臣に誰が就任するかはまだわかりませんが。


死刑をめぐる国際的な状況は、7月の死刑執行の際に出されたアムネスティの声明に要約されています。

法律上、事実上の廃止を合わせると世界の70%以上の国が死刑を廃止している。2008年に死刑執行を行った国は25カ国である。東アジアを見ると、韓国では10年間、台湾では約3年間死刑執行は行われていない。G8諸国で日本のほかに唯一死刑を執行している米国でも死刑執行は抑制傾向にある。さらに死刑の適用に積極的であるとされるイスラム諸国の中にも、近年、死刑の適用について慎重な国々が増えつつある。日本は死刑の適用を増やしている、世界で数少ない国となりつつある。

国際的な死刑廃止の流れを受け、2008年12月18日には国連総会において2年連続となる死刑執行の一時停止を求める決議が採択された。また、2008年10月には、国連自由権規約委員会が、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」とし、世論を口実に死刑廃止に向けた措置を一切とろうとしない日本の態度を非難している。


死刑の全面的な廃止に本格的に取り組んでくれれば本当は一番いいのですが、そうでなくとも、少なくとも法務大臣の判断で執行を停止することはできるわけです。連立を協議中の社民党マニフェストに死刑の執行停止を掲げていますし、国民新党の新代表となった亀井静香議員は死刑廃止論者として有名ですから、この面では何の問題もないでしょう。加えて、志布志事件足利事件といった冤罪の問題も広く知られ、昨年刑が執行された飯塚事件についてもテレビなどで取り上げられる機会もありましたらから、わが国としては比較的、世論の理解も得られやすい条件下にあると思います。

法務大臣に就任するのが誰であれ、死刑の執行が停止されることを期待しています。もう殺すのはやめよう。