体育苦手だった人にこそランニングはおすすめ
僕も体育苦手でした。
社会に出てから当然まったく運動しない日々が続いていましたが、40歳をすぎてしばらくしてからランニングをするようになりました。するとこれが学校でやらされていた体育とは大違いなんですよね。
他人と比べなくていい
大人になってから自分でやる運動の一番いいところはこれだと思います。ランニングに限らず、水泳や自転車もそうだと思いますが、基本的は1人でできるスポーツであれば、他の人と比べてどうこうというのは気にしなくていいんですよね。筋トレとかもそうですね。他人から何か言われたり思われたりすることもない。本当に大きなメリットです。
公園などで走っていると他にもランナーがいますが、みな自分のペースで思い思いに走っています。遅い人がいたからって別になんとも思いません。それにランニングでは LSD (Long, Slow, Distance)といってわざとゆっくり走るトレーニングもあるので、どうしても他人の目が気になる人は、心の中で「いやこれ LSD 中だから」という体で走れば問題ありません。
下手クソすぎて無理、ってことがない
僕は泳げません。いや正確には25mまではギリ行けますが、ものすごくつらい。子供の頃体育の先生もアレコレ教えてくれましたが、どうもフォームが相当ひどいらしい。クロールで息継ぎがどうしてもまともにできない。水泳には憧れがあるので、ランニングで体力がついた今ではいつかちゃんと習ってみたいと思うようになりましたが。
しかしランニングは下手くそすぎてできない、ということがありません。怪我や障害がなければ誰でも走ることはできる。どんなに遅くても。どんなにフォームがガタガタでも。
球技がからっきしダメだった僕(どうしてバットやらラケットやらという自分の体ですらないものを使って空中を動いている球に当てることができるのか不思議)、水泳もダメだった僕でも、ランニングはできます。なんてすばらしいスポーツでしょう。
成長を感じる
最初はすぐに息切れして足がビキビキになっても、続けているとちゃんと走れるようになります。僕も最初に散歩の途中で試しに走ってみたら、もう1〜2分で息はあがるわ筋肉は痛むわでヒドいものでした。さすがに約四半世紀もロクに運動してなかったので当然ではあります。それでも、最初1〜2分で限界だったのが5分走れるようになり、30分の散歩のうち途中で5分走って10分歩いてまた5分走るようになり、10分走って5分歩いてまた10分走るようになり…2ヶ月もしないうちに30分間続けて走れるようになっていました。
散歩を続けたのは主にダイエットのためですが、歩いた距離とカロリーを確認するためにアプリを使ってたんですね。僕の場合は「Nike+ Run Club」でしたが、だいたいこの手のやつは GPS で走ったコースを地図上にプロットしてくれたり消費カロリーを教えてくれたりするので。で、もちろんペースや距離も出るわけですが、こういうのを見てると自分がだんたんと「走れる」ようになってきているのが実感できるわけです。
スポーツでこんなに自分の成長を実感したのは初めてでした。しかも客観的な数値で。そりゃあ運動得意な人達みたいにはなれないけど、過去の自分を上回っていくことはできる。これが嬉しくて、だんだん「明日はもう少しいけるかな」「早くまた走りたい」などと思うようになっていました。過去の自分からは考えられないことです。
体調、体型、機嫌がよくなる
体力はぐっとつきます。普段運動してない40代の人で、30分走れる人はそう多くないでしょう。体力があれば日々の生活が楽になりますし、いろいろなことに余裕が出てきます。
僕のようにダイエットしているならば、ランニングは非常に効率的で効果的です。もちろん食事のコントロールが第一ですが、食事とランニングを組み合わせることで(変化のペースは人それぞれですが)確実に変化は訪れます。
そして案外見過ごされがちですが、機嫌がよくなる。本当です。僕も以前は「スポーツでストレス解消」なんて言われても全然ピンときませんでしたが、ランニングのようなリズミカルな運動ではセロトニンの濃度が高まることが知られています。「幸せホルモン」とも呼ばれてるやつです。実感としても、走れている時期は気持ちも落ち着いています。
もちろん健康面でのメリットは極めて大きいです。ランニングによって心拍出量が増大するとともに心拍数は下がり、筋肉は強くなり、肺活量も増え、毛細血管とミトコンドリアが増えます。健康診断などでも僕はいろいろな数値が改善しました。
ところでミトコンドリアが増える、ってすごくないですか?僕はロマンを感じます。わが内なるミトコンドリアたちが目覚めたか…みたいな。「くっ!鎮まれ俺のミトコンドリア!」とか中二病ごっこも楽しいです。(やらなくていい)
トレーニング科学が面白い
どんなトレーニングにどんな効果があるのか、どれくらいの強さで、どれくらいの時間やればいいのか…トレーニング科学は面白いですよ。知識から入るタイプの人はこっちから攻めるのもおすすめです。
- 作者: ジャック・ダニエルズ,前河洋一,篠原美穂
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僕が持ってるのは第2版ですが、第3版も翻訳でてたんですね。これ面白いですよー。著者のジャック・ダニエルズは、メダリストで博士号もち。その彼によるランニング方程式です。有酸素性作業能(VO2max)だの、乳酸性作業閾値(LT)だの、字面だけでわくわくします。表やグラフがどっさりで、最高に理屈っぽい!効率的なトレーニングの理論は実に興味深いです。こういうの高校の頃に教えてほしかった!あなたが凝り性なら絶対ハマります。一緒に VDOT を向上させましょう!
故障には気をつけましょう
はい。年取ると精神力に体力がついてきません。すぐ故障します。膝とかやっちゃう人多数です。僕も足底筋膜炎でしばらく走れなかったことがあります。ランナーあるあるです。楽しくなってくるとどうしてもやりすぎるんですよね。ほんと注意が必要です。これから始める方は、シューズだけはちゃんとしたのを用意しましょう。
僕はランニングをはじめて本当によかったな、と思っているので、少しでも興味をもってもらえたらとても嬉しいです。もしその気になってくれたなら、まず散歩から始めましょう。朝の小鳥たちのさえずりでも、夜の街の喧騒でも、きっと楽しめるものがあると思います。そして少し気分がよくなったら、走り出してみてください。