選択的夫婦別姓の早期実現を待望する


政権交代以後、個人的には一番うれしいニュース。

 政府は、夫婦が別々の姓を名乗ることを認める選択的夫婦別姓を導入する方針を固めた。

 早ければ来年の通常国会に、夫婦同姓を定めている民法の改正案を提出する方向で調整を進める。現行の夫婦同姓は1947年に民法に明記され、約60年ぶりの大幅改正となる。


様々な面で新政権には期待していますが、自分自身の生活に直結する問題という意味で、この件が一番身近な問題でした。夫婦の一方が姓を変えなければならない、しかも実際にはほとんどその負担が女性に集中しているという理不尽で不公平な制度は、一刻も早く改善されてしかるべきでした。しかし自民党政権下では毎回毎回潰されてきました。


選択的夫婦別姓に反対するということは、「それぞれ違う姓でいたい」という夫婦、そして「同姓か別姓か、自分達で選びたい」という人々に対して、選択の自由を与えてはいけない、という非常に強い主張です。しかし、なるほどそれだけの強い主張に見合うだけの筋の通った根拠だ、と思えるような議論を、私は目にしたことがありません。やれ「家族が崩壊する」だの「子供の名前で揉める」だの、根拠のない憶測とお節介ばかり。同姓を望む人は好きにすればいいだけなのに、あんた達のありがたいパターナリズムで他人の幸せを邪魔するのはやめてくれ、と思ってましたが。今回もある程度の議論はあるでしょうが、これまで以上の説得力ある反対論はもう出てこないだろうと思っています。


詳細の詰めはまだこれからでしょうが、早ければ来年の通常国会だそうで、待ち遠しいばかりです。

祝日より有給


シルバーウィークとかいうんだそうで、連休で旅行などから返ってくる車で高速道路が渋滞してるってニュースをみかけました。1,000円の効果かー、無料化したらやっぱりもっと混むんかなー、まー俺は無免許だから関係ないけどー、などと思って眺めてたんですが。

そもそもゴールデンウィークやら盆正月やらに混雑するのって、皆が一斉に休むからですよね。まあ正月に関しては、正月くらい皆休んでもいいだろうとも思うんですが、それ以外って別に一斉に休まなくても良くね?お盆は、伝統にのっとって祖先の霊を迎えたりとかする人も少なくないでしょうが、単に静養とか旅行とかする人でも、会社がその時期みんな休みだから休むって人も多そう。皆に合わせて休んだほうが効率よく仕事できる、というのもわかるけど。なんでわざわざ自分の静養をそこまで皆に合わせるんだろうか。せっかく「自分の時間」をとるのに、そのタイミングは仕事優先なのか。もったいない。まあ、お客さんに合わせなきゃならん人も結構いるんだろうけどなー、お気の毒に。


私は夏期休暇なんかでも盆じゃなくて結構ずれた時期に取るんだけど、有給にしても、去年の記事だけど、

日本人の有給休暇消化率は最低 - 欧米主要8カ国との比較調査で | ライフ | マイコミジャーナル

とか見ると「仕事が忙しく休暇をとっている暇がない」って何だよそれー。ほんと働くの好きだなー。「休まなきゃいけないからこの仕事は無理」ってなる人なんてほとんどいないんだろうな。「取りづらい雰囲気だから」とか、ひどいのは「経営者や上司がもっと有給休暇をとることを奨励してくれれば」って子供かお前ら。


そうそう、ついでに言うと「お休みを頂いております」っていう言い方も最低だと思う。いや僕も言ってるんだけどさ。いつもなんだかなーって思いながら言ってる。


こんなだから、「他人が働いていようが、ともかく自分が」休みをとるのがみんな苦手で、祝日みたいな「お墨付き」の休みじゃないとレジャーを楽しめないという。そんでわざわざ渋滞に突入していくっていう。僕はコレすげー情けない状態だと思うんだけどどうですかね?「お上が用意してくださる」祝日なんか減ってもいいから、自分で選べる有給がもっと欲しいよ。オレはオレの休みたいときに休みたい!

温室効果ガス25%削減、右派が歓迎してもよさそうなのにな


25%という数字について、評価が分かれてますが。毎日の「社説ウオッチング」で比較されてますが、毎日、朝日の社説が評価する内容だったのに対して、読売や産経は批判的なようです。

これに対し、読売、産経は懸念や懐疑的な視点を示した。厳しい排出基準を課され国内産業界や国民生活の負担が増大する事態を警戒したためだ。「高い削減目標より、現実的な施策で世界の排出削減に貢献する。それが日本がなすべきことだ」と読売は主張した。産経は「景気回復の出はなをくじかれてはたまらない」と懸念、「日本が突出して高い削減率を示すことにどういう意味があるのだろうか」と疑問を投げかけた。


僕自身は、例えば地球環境戦略研究機関でのセミナーのまとめにあるような、

国際社会に低炭素社会づくりの手本を示さねば、環境立国とは言えない。現状の産業構造をそのまま維持するのではなく、長期的な変化を先取りすることが日本の競争力を高める。

低い削減目標を提示すれば世界から見向きもされなくなる。野心的な目標設定をバネとして日本を変革していくことが重要である。

あるいは

明日香氏:目標設定は少なくとも先進国全体で25%〜40%削減の道筋に則るべきとした。
末吉氏:温暖化防止における資金支援政策の重要性を強調すると共に日本はポスト京都交渉でのリーダーシップを示すに十分な数値を設定する必要があり、数値設定と同時に低炭素社会づくりに向かう世界との競争で勝つための国内の削減努力を支援する政策枠組みを作ることが重要と述べた。

といった議論に説得力を感じるので、野心的な目標設定は大いに結構だと思っています。


この件で保守派が批判的なのは、もちろんある種の産業にとって負担となることや国際競争力の面での不安があるのは理解できます。ただまあ、ネットの反応なんかの中には単に民主ぎらいってだけなんじゃないかと思うものも少なくないですが。


しかしなんというか、はてブで定期的に上がってくる「日本SUGEEEE!!」系のコピペに鼓舞される人達は、この件をもっと歓迎してもよさそうなもんだと思うんですけれど。いかがなもんなんでしょうか。25%という数字だって、日経が「科学が先進国に要請する削減幅の下限」というように、また少なからぬ専門家が評価するように、無理筋でもトンデモでも何でもないわけです。環境次官だって「あり得ない数字ではない」と言ってるし。家計にいくらいくらの負担増、みたいな話もいろいろありますが、その手の政府試算は多分に FUD 的要素があるようなので、かなり慎重に見ていく必要があると思いますよ。

日頃「日本人としての誇り」とか言ってるんだったら、「日本SUGEE」みたいな自分が何も貢献してない過去の栄光を反芻してないで、自分達が未来に貢献することを考えればいいのにな、と思う。日本が「世界をリードする」チャンスなんだから。そういうの好きでしょ?中国やアメリカがコミットせざるを得なくなってくる状況とか、嬉しいんじゃないの?中・米が乗ってくるハズがないから無理、みたいな敗北主義はみっともないと思うでしょう?新しい国家的目標が出来るんだから、右派は「日本の底力を見せつけてやろうぜ」ってな気概に溢れても全然おかしくないと思うんだけどな。

それでも支持は無理ですかね?わが国が国際的にイニシアチブをとれるかもしれないのにさ。「民主党ぎらい」をとりあえず置いて、前向きになったほうが絶対いいと思うんだけど。

新政権に、死刑執行の停止を期待する


政権が変わって、新しい内閣で法務大臣に誰が就任するかはまだわかりませんが。


死刑をめぐる国際的な状況は、7月の死刑執行の際に出されたアムネスティの声明に要約されています。

法律上、事実上の廃止を合わせると世界の70%以上の国が死刑を廃止している。2008年に死刑執行を行った国は25カ国である。東アジアを見ると、韓国では10年間、台湾では約3年間死刑執行は行われていない。G8諸国で日本のほかに唯一死刑を執行している米国でも死刑執行は抑制傾向にある。さらに死刑の適用に積極的であるとされるイスラム諸国の中にも、近年、死刑の適用について慎重な国々が増えつつある。日本は死刑の適用を増やしている、世界で数少ない国となりつつある。

国際的な死刑廃止の流れを受け、2008年12月18日には国連総会において2年連続となる死刑執行の一時停止を求める決議が採択された。また、2008年10月には、国連自由権規約委員会が、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」とし、世論を口実に死刑廃止に向けた措置を一切とろうとしない日本の態度を非難している。


死刑の全面的な廃止に本格的に取り組んでくれれば本当は一番いいのですが、そうでなくとも、少なくとも法務大臣の判断で執行を停止することはできるわけです。連立を協議中の社民党マニフェストに死刑の執行停止を掲げていますし、国民新党の新代表となった亀井静香議員は死刑廃止論者として有名ですから、この面では何の問題もないでしょう。加えて、志布志事件足利事件といった冤罪の問題も広く知られ、昨年刑が執行された飯塚事件についてもテレビなどで取り上げられる機会もありましたらから、わが国としては比較的、世論の理解も得られやすい条件下にあると思います。

法務大臣に就任するのが誰であれ、死刑の執行が停止されることを期待しています。もう殺すのはやめよう。

何の変哲もないニュース+週刊誌記事+スレタイ=爆釣れ


はてなブックマーク - 辻元清美が防衛大臣のポストを希望――― だ、大丈夫なの?この国:アルファルファモザイク


元スレは「防衛省が概算要求をまとめた」という特にどうってことないニュースに、どういうわけか「辻元清美防衛大臣を希望している」という活字メディアのスキャン画像。「防衛省」以外に何のつながりもない記事と画像の組み合せで、こんだけ釣れてしまうというのも珍しいんじゃないでしょうか。ブクマコメを見ると真に受けた人も結構いそうです。ひとまず記事と画像の無関係ぶりに「変だ」と感じるのが普通だと思うのですが、本文読んだんでしょうか?


ブクマで指摘されてた元の画像が載ってるブログを見ると、去年の週間プレイボーイ誌の記事であるらしく、記者懇談会の席で

記者のひとりから出た「仮に与党になったら希望する大臣ポストは?」との問いに
「なにやろなあ…。防衛大臣
と返答。言った直後、
「今のはシャレ。イージス艦の件で石破さんと対決してたから言っただけ」
と慌ててフォローする始末。

と、追い風に口も緩んでいるのでは、という趣旨の文章の中のことです。私はこれは普通にただの冗談にしか見えませんが(本気で希望しても別にいいと思いますがね)、ヒステリックな反応を起こしてしまう人もいるのかもしれません。


が、プレイボーイの記事を読んでどうかということより、元スレの中に画像についての説明が一切ないのに脊髄反射しちゃう人達のあわてんぼうさんぶりが面白いですよね。いや、あなたは最初からネタのつもりだったんでしょうけど。

各党マニフェストの人権関連政策メモ


丁寧に読みこんだわけではなく、ざっと目につくところだけ。基本、自分用のメモなので、僕にとってある程度関心のあるところだけです。包括的ないわゆる「まとめ」ではありません。また、雇用や社会保証も広くは人権に絡むのですが、そういうのは含めていません。それから、人権に関係する事項がまとめて書かれているわけではなくて、あちこちに分散していることもあるので、たぶん見落としもあると思います。

民主党

  • 取り調べの可視化
  • 人権侵害救済機関の創設
  • 個人通報制度関係の選択議定書を批准

社民党

ほかにもいろいろ

共産党

公明党

  • 取り調べの可視化
  • 難民保護の拡大
  • 女性差別撤廃条約選択議定書の批准
  • 個人通報制度関係の選択議定書を批准
  • 選択的夫婦別姓制度、離婚後300日問題などでの民法改正
  • 性的マイノリティの人権擁護
  • 人権救済制度の創設
  • 永住外国人に地方選挙権を付与

ほかにもいくつか

その他

自民党国民新党については、人権関連の項目は、特に目につくものはありませんでした。またそれぞれのマニフェストを「人権」で検索してみましたが、ヒットしませんでした。

ノリピーの事件で


また当分のあいだ、テレビを始めマスコミがその下世話ぶりを遺憾なく見せつけてくれるんでしょうなあ。憶測と断定が飛び交い、思いやりと同情の仮面をつけた覗き趣味がたっぷり見られることでしょう。しばらくテレビでニュース見るのよそうかな。

まあマスコミの、っていうのは一面では、視聴者の、ってことでもあるわけなんでしょうけれど。