陰謀論にハマる人々

おしゃべりSchwaetzerの飲んだくれな毎日で「天皇抜きの右的ナショナリズム」や「煽られ組」について興味深い分析が。参考になります。


僕は今日、陰謀論に同調しているブログをいくつか紹介しましたが、これを見ながらいくつか感想を持ちました。まず、陰謀論のどのあたりを強調しているかによってパターン分けができそうです。自分の感じでは「陛下がそんなこと言うはずない」「資料批判が足りない (徳川説に多い)」「マスゴミだからどうせ捏造だろ (藤尾説はたいていこんな感じ)」というふうに、ちょっとずつポイントが違うのですね。ちなみに僕が言及したような水準の低いのが右派を代表してるわけではないということは承知してます。右派を戯画化するつもりはありません。でもいわゆる「ネットウヨ」と呼ばれる層には近いのかもしれません。

精神分析とか心理学のことは全然しりませんが、彼らの気分を僕なりに推察してみます。

「陛下がそんなこと言うはずない」派

皇国史観とかそんなのが自己のアイデンティティの一部になっているように見えます。なんでだろ。思春期によしりんのマンガを読みすぎたとか?でまぁ、自分の信じていた天皇像と違うものをつきつけられ、それを認めるとアイデンティティに危機が起きるように感じてしまうのでしょう。だから事実 (または事実である強い可能性) と正面から向きあうことができず、逃げています。ニセモノだと捉えることで、自己の理想と現実の間の葛藤を回避し、矛盾の責任を自分で引き受けるのではなくマスコミ (や左派) に転嫁してしまうのでしょう。
また妙に小難しそうな単語を使ったり、国際的な策謀に思いを巡らしたりするのも特徴です。しかし残念ながら、初歩的な論理的誤謬や飛躍が目立つので、全然知的には見えません。知的でありたいのでしょうが、似合わぬ格好で無理に都会に馴染もうとする田舎娘のようで、痛々しいです。

「資料批判が足りない」派

徳川前侍従長の発言の記録だとする説に「むむ、それはありそうな話だ」と思ってしまった人達に多いです。マスコミはちゃんと検証したのか?というご意見は健全です。ただ、その要求を自分自身にも多少は課さなければ。
このタイプには概してトンデモ発言が少ないので、まともな知性の持ち主がマスコミ嫌いのせいでうっかり勇み足、という場合も多そうです。

「おかしいと思ってた。どうせマスゴミの捏造だろ」派

藤尾元文相の発言という説に乗ってしまうタイプは、とりあえず国語の成績悪そうです。ほとんど脊髄反射でしょう。こういう人達にとっては内容や検証のプロセスはどうでもよくて「マスゴミが間違えた!プギャー!」と言いたいだけ。だから一番救いがない。特に問題に強い関心があるわけでもなくて、サヨやマスコミを叩く口実にさえなれば何でもいいのです。一番頭悪いんだけど、かえって一番やっかいかも。
こういうタイプが「煽られてる」という認識もろくにないまま、自分の首を絞めるような政党に投票してしまうんだろうなぁ。


…というような、非常に雑駁ではありますが、そんな感想を持ちました。しかしパッと見、ネットウヨ的な人のブログや日記はごろごろ見つかります。どちらかというと数の少ない左派的な人達は、ウヨちゃん達の低次元の騒ぎを放置してるようです。もっと高度っぽい議論を一生懸命やってる。それもいいんだけど、もうちょっと何か考えたほうがいい気がします。なんとなく。

偽造説笑える

萌えるローマ帝国HAPPYMAX の記事が大変愉快です。是非。

ついに中共の特務が! コミンテルン(愛と革命の国際謀略組織)が! ついに宮内庁長官の私室にまで入り込んで! ぶ、ぶぶぶぶぶぶブルーブラックのINKを使って!

 笑い死にしそう……お願いだからやめてどんどんやってください。

しかしまあこういうネタで皆が好き放題言えるような社会っていうのは、いいことなのかもですね。

こういうのをみると、昭和天皇タブーって本当に薄くなったんだなという気がしていっそのこと、すがすがしいですね! そのこと自体は素晴らしい、いい事だと思います。17年前の自粛ブームの時なんて、いきなり撃たれてた人とかいるんですよ。昭和天皇の悪口を言ったら、命が危なかった時代があるんですよ。それよりはまあ、ずっと良い。

確かに。

陰謀論に同調する人々

思うに、あのメモはいつ出てきても「なぜ今!?このタイミングで!」と言われるんだろうなぁ。以下、陰謀論への同調。かなりアレなものも。

そして、2003年11月に死去する前に、小泉首相の姿勢に危機感を抱いていた富田氏は、今回のメモを作成し手帳に貼り付けて「時限爆弾」として用意した。

これすごい。三年殺しみたいな? 小泉が首相の間に発見されなきゃいけないし、とても高度なテクニックですね。

南京虐殺事件」の発端となった、本田勝一氏の著書のように、外国機関の「援助」でこの手の情報はいくらでも日本国内の反体制派に提供される。

最も今回は、どうも「日本人」の誰かが後ろで糸を引いているのだろう。その「誰か」とは誰か?

黒幕を探せ!左翼の連携プレーを阻止だ!

しかしそもそも、私には陛下がこのような「ごく私的な」お気持ちを述べることよりも、このメモが富田朝彦氏もしくは関係者のねつ造である可能性のほうが現実的だと思います。

現実的…。まことに現実とは人によって様々ですなぁ。

巷では「(昭和天皇のご発言ではなく)藤尾正行文部大臣のセリフじゃないの?」という疑念が浮かんでいるようですが、私もそれに1票 ^^;

どーみてもトリミング詐欺です。

ありがとうございました。

「藤尾の発言」って、話の流れで藤尾元文相の発言が引きあいに出されたというのが普通の読みかただと思うんですが…(説明してあげる人がほとんどいないのは、あまりにアレすぎるからか)。

どうやら、第二の永田で日経は不敬罪でオワタ\(^o^)/

なんかおかしいと思ったけど、やっぱそういうことでしたか。

明らかに不自然だろうって!!

マスコミ嫌いなのはわかったけど、勇み足だよ!全然明らかじゃないよ!


ちなみに僕は「公表された部分だけからは昭和天皇本人の発言の記録であるかどうかわからない」というのは、それほどおかしな感覚ではないとは思ってます。本当にメモに書いてある「字面だけ」ではということですが。で、「徳川前侍従長の話の記録」という説は、かなり無理があると思いますよ。意見が似てるからそいつだろうって…なんだよそれ。

陰謀論追加

なんだかゆんゆんしてきました。あんまり読むと健康に悪いかも。

ということは、この情報が特ダネなどではなく、すでにオーソライズされていたということを意味するはずです。日経や朝日の幹部社員はもとより、官邸も、そして宗主国アメリカさまも、認めているはずです。

だまされるな!これは中共ではなく、アメリカ追従路線の工作だ!という。

昭和天皇はむしろA級戦犯靖国神社に祀られたことを内心では喜んでいたと私は考えている。

考えるのは自由ですもんね。

しかし今回のメモが本物であれば、天皇と国民との絆は断ち切られ・天皇の権威は地に落ちる。そうなれば我が日本国は滅亡するだろう!だからそのようなことを昭和天皇が言われるはずがないのである!英邁な陛下にそれが分からないはずがないからだ!

なにもそこまで本音を…

赤線のところを良くみてみると、『藤尾』と読めるのだが、これは、元文部大臣の藤尾氏の発言をメモったものではないのだろうか・・・・

いやだからそれはあの…

判断は慎重に

いわゆる「富田メモ」が徳川前侍従長の会見での発言の記録ではないか、という説が捏造説の一つにありますね。確かにあちこちにあるキャプ画像だけでは「私」が誰なのか判断しかねるというのもわかります。が、徳川侍従長説について 2 ちゃんねらの言いぶんってのは (強調は引用者による)、

理由は以下の通りです。
a.徳川侍従長のが勇退日は昭和63(1988)年4月末日。(会見の有無は確認できず)
b.徳川侍従長の以前からの発言と相似している。
c.前出の1〜9の指摘事項に全てあてはまる。

あの、そこ一番肝心なんですけど…。これじゃ脳内会見じゃないかと…。


日付も特定されてるし、この説が多少なりとも可能性を持つためには最低限 (あくまで最低限) そういう会見があり、内容も一致しているということが示されなければなりません。実際に会見があればすぐに確認できるはず。図書館にでも行って新聞の縮刷版でも見れば。超簡単なことでしょ。「マスコミはろくに調査してない」と批判する人がけっこういるけど (それはそれで一理あるけど)、自分自身も慎重になってほしいものです。全然ウラの取れてない (事実ならとっくに取れてておかしくない) ような説に「コレだ!」と反応してしまった人は、ちょっと反省したほうがいいと思いますぜ。

まあね、これから裏が取れるって可能性もゼロだとは言いませんけど。一応。

もうちょっと

追加。あとはだいたい似たようなパターンだとは思うのですが。

真偽を判断するために元素分析かけるとか言ったらこれらの新聞社はどういう反応するんでしょうね?

大事な史料なので非破壊でなんとかお願いしたいところです。こんな最近のモノでかつ出所のはっきりしてる歴史資料では普通やらないと思うけど。

重ねて言うが、メモは単なる人騒がせな代物であり天皇の真意を忖度するなど以ての外である。
万が一、真実を伝えるものとすれば、昭和天皇の晩年はアルツハイマー病に冒されていたと想像され、誠にお痛ましい限りである。
もし万が一、正気で述べられたのであれば、お孫さんの言動など考え合わせると残念ながら皇室の未来は決して明るいものではない、と言えるかも知れない。

ふ、ふけ、ふふっふふけけ、不…!!